たかみちの、宮村和生の、LO編集部のいいしごと。「LO画集 TAKAMICHI LOVE WORKS」

 一目ではエロマンガ雑誌だと気付かない表紙のエロマンガ雑誌といえば、なーんだ?

 …そうだね、「コミックLO」だね!*1



 というわけで「LO画集 TAKAMICHI LOVE WORKS」が今日家に届いたんですよ!


LO画集 TAKAMICHI LOVE WORKS (FLOW COMICS)

LO画集 TAKAMICHI LOVE WORKS (FLOW COMICS)


 いや〜、期待以上に良い出来ですよコレ。

 宣伝帯の後ろに書いてある

「LOは表紙も大好き」というファンの方、お待たせしました。
「LOは表紙だけ好き」という趣味的に真人間の方、大変お待たせして申し訳ございません」


 という文章のとおり、中身も楽しむ人・そうでない人かかわらずLOの表紙が気になっちゃう人が欲しかったコンテンツがキッチリ網羅されてるんじゃないかと思います。

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○「LOファン」のニーズに応えた構成


 全体を通して「Wちゃん!*2さすがアンタわかってるねェ!」と言いたくなっちゃうほど、表紙ももちろん含めてLOが大好きな自分にとってこの本の構成がスンバラスィのです。


 まず肝心かなめ、たかみち氏による表紙イラストのページなのですが、1号の表紙につき左右2ページを使って

1.表紙からロゴ等を消し、たかみち氏の監修を通したイラスト (左ページまるまる)
2.ロゴやキャッチコピーがある、表紙そのままのイラスト (右ページに、左のイラストの4分の1サイズ)
3.各号ごとの表紙で使われた、キャッチコピーとそのデザインのピックアップ (右ページイラストの上)

 という構成になっています。

 (文章ではわかりづらいので、アキバblogさんの記事画像から転載)



 さらに巻末には各号表紙それぞれについての

・たかみち(イラストレーター)・W(編集長)・宮村和生(デザイナー) の三者のコメント
・たかみちの、ラフ原画・没イラスト・資料写真
宮村和生の、デザイン決定までの没デザイン

 といった情報・資料が30ページ近くにわたって付記されたコーナーも用意されていて、こちらもカラーで大変見やすい&読みやすいので、各号表紙について深く知ることが出来ます。



 メインはこのような構成なのですが、LOファンの自分にとってはかなり嬉しいです。

 「ページの水増し乙!」なんて穿った前意見も目にしていて、「それもあるのかなw」なんて初めて本を開いたとき思いましたが、たとえそれでもLO表紙が好きな人にとってこの構成はやっぱ嬉しすぎる。


 LO表紙の魅力というのはたかみち氏の美しいイラストが大きな要素ですが、それと同時にキャッチコピーやロゴデザインといった要素も含めて、ここまで魅力的なものであると思うのです。

 本のタイトルには「TAKAMICHI」の名前が入っていますが、決してたかみち氏だけの画集なのではなく、「コミックLOの表紙の画集」であるというテーマが貫かれています。

 
 つまりこの本はイラストレーターたかみち・デザイナー宮村和生・LO編集部」の作品集であるわけです。

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画集の絵と、実際の表紙との違い


 ここでまずもう一度、メインのイラストページの構成は

1.表紙からロゴ等を消し、たかみち氏の監修を通したイラスト (左ページまるまる)
2.ロゴやキャッチコピーがある、表紙そのままのイラスト (右ページに、左のイラストの4分の1サイズ)
3.号ごとの表紙で使われた、キャッチコピーとそのデザインのピックアップ (右ページイラストの上)

 ってな感じだ、ということおさらいしておきます。

 
 それで、この1と2の絵について、自分が感じた「質の違い」みたいなものについて言及したいと思います。 


 冒頭のアキバblogさんに掲載されていた画像はカメラ撮影によるもので、両者の絵の質の違いは把握しにくいですが、実際に手にとってみると1と2のイラストの違い…すなわち画集でのイラストと実際の表紙との、質の違いを感じるんです。



 1のイラストは、たかみち氏が描いたイラストのデータをそのまま載せたような感じ。

 色を塗る過程での「ブラシツール」のタッチや、主線の強弱などがハッキリと目でわかります。


 対して、2のイラストは、まさしく刊行されたLOの表紙そのまま。

 1のイラストと2のイラスト(もしくは実際の表紙)とを比べると、上に挙げたブラシのタッチや主線の強弱が若干シャープになっている感じを受けます。

 
 
 すっごい大雑把に言うと、1のほうは「温もりがある」2のほうは「キリっとしている」という感じでしょうか…

 これは単にサイズの違いから来るものかも知れませんが、自分としては目に入った時の感覚が大分違ったので一応書いておこうかなと。

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 このようなスンバラスィ画集が、3000円ほどだというのはホントお得だと思います。


 ただ!一つ不満をいうなら…!

 LOの裏表紙や中身にときどき登場する「意見広告」も収録して欲しかった!

 これにつきますでしょうか…。


 LOは「ロリータエロマンガ専門マンガ誌」という自らの立場から、世の(自分も含む)ロリコンたちに現実の少女たちへの感情にたいして様々な意見広告を出していて、その文章やデザインがとっても秀逸。

 LOの代名詞ともいえる「YES!ロリータ NO!タッチ」などにはじまる文言の数々は、ロリータの魅力を同じく理解している側だからこそ発すことの出来る警告なのです。

 それをイメージ化した意見広告も収録されていれば、前述の「たかみち・宮村和生・LO編集部の作品集」としてさらに高い完成度に近づいたと言えるのだと思うのですよ。


 LOがこれからも長く刊行され続ければもしかしたら「LO画集第二弾」だってあるかもしれません。
 その暁には、是非ともこの意見広告も収録して欲しいトコロですね。


 あと、この本でデザイナーの宮村和生氏についての興味がカナーリ湧いてきちゃったので、また自分なりに調べてみようかなと思いますん。

*1:若干風邪気味なので胸は叩きません。

*2:コミックLOの編集長。黄色いベレー帽がキュートな敏腕幼女