コミックLO 2010年2月号の感想:町田ひらく「Magicmiror HOTEL」

 
 以前書いた記事のように、コミックLOの作品感想を1つに絞って記事にしてみました。
 とりあえず今月号―というかもう今日だと先月号になってれぅっ!―の、町田ひらく先生の作品をば。
 
 


 
町田ひらく「Magicmirror Hotel
 
 高層ホテルの一室に、カーテンも閉め切った部屋で人知れず身体を重ねる父とその娘の姿。
 そのときホテルの前にマスコミが大勢駆けつけ、「文部大臣がホテルに少女を連れ込んでいる」という報道が部屋のTVに…娘の少女は、突然起こった奇妙な状況を楽しむように父と再び身体を重ねる…というお話。
 
 孤高のロリエロ漫画家・町田ひらく先生の久々の単発短編作品。
  
 「少女」と「その少女と情事に耽る男」の同じ二組が偶然同じホテルの別々の部屋に入っており、片方は警察に追われ、片方はその様子をTVで眺めながら再び情事にふけっている…
 という独特な状況設定や展開が面白い一作で、状況を上手くエロに昇華させたセックスシーンや衝撃的なラストシーンなど、終始読む側を釘付けにさせる作品だと思います。
 
 特に「状況をエロに昇華させる」という点で、たとえば↓の一連のコマのような。
 

 
 外のいて現地リポートするリポーターと、それをマネして自分たちのセックスを実況風に読み上げる少女…という状況を活かして配された、このコマ演出の妙技。
 外で起こっているコトの重大さと、それを面白がる少女の無邪気さ、更にはその無邪気な少女のとる行動が父の性器を弄ぶこと…という目の前の異常とも言える光景。
 そんなロリ漫画ならではの光景からくる、他にない「感情」を描き出す町田先生、さすがだなぁ、と。
  

 
 そういった展開や演出も含め今回も「町田ひらくワールド」な本作。
 むしろ今作が久々の短編作ということで、連載の「たんぽぽの卵」でのストーリーやテーマから一度離れた形でその魅力を「再確認出来る」というんでしょうか。
  
 そんな「町田ひらくワールド」的な意味で他にも印象的なシーンがあって、ひとつは冒頭の↓のコマ。
 

 
 ホテルに駆けつけたマスコミ騒ぎに気付いた少女が、父とともに窓を覗くシーン。
 右コマの、「裸で大窓に立つ」というで無邪気な少女の「子どもらしい」行動と背を向ける姿。しかし同時に、乱れたベッドと同じく裸の父がそこにいるという状況から浮かぶ醜い現実も存在している―
 この二つの情景が、「少女の身体を弄でいる」という強烈な背徳感を思い起こさせるのです。
 
 また左のコマの、父と娘が並んだ瞬間が描れているところも、なかなかロリコン心にズキッときますw
 無邪気に窓を覗く少女の小さな身体と、それを見下ろす男の恰幅のある身体。
 この大きな身長差のあるシルエットが横に並んでいるのが、より「力のあるものが非力なものを犯す」というロリ漫画における背徳性を絵の中に孕ませているように感じますね。
 
 
 そしてもうひとつの印象的なコマ。
 

 
 件の「児童を連れ込んだ文部大臣」が警察に現場をおさえられたシーン。
 こちらの少女は、実は隣の部屋で行われていた父娘の情事を察知し、「こっちはまだシてないけど、あっちはもうシてる」「だから、あいつらの方がよけい悪いじゃん」と文句を言うわけです。
 少女との性行為が実際に行われたか否か…も重要といえば重要ですが、それ以前にそんな行動をとろうとした男の行動自体は言語道断。
 そんなの知らない!と、だだをこねるように言い掛かる少女の言動がまた、子供らしくもあり、同時にその「エッチする前」という言葉が自然に出てくる。そんな、大人の欲望で歪まった少女の姿。
 
 厭世的だったり、絶望的だったりする世界観がまさしく「町田ひらくワールド」の大きな要素なのですが、これら二つのシーンが特にそれを色濃く読む側に感じさせていると思います。
 
 ところで…(重大なネタバレなのでビミョーに反転)
 
 
 
 
 現場を逃げ出した文部大臣の男の顔を最後に少女が見るシーンは、純粋に衝撃的でした。
 読んでいたときはてっきり、「窓を覗く裸の少女に気付いたカメラマンによって、父娘も逮捕される」ってオチかな?なんて思ってた…
 ので、ページを繰ってみると逆さまに落ちている文部大臣の顔が窓越しに見えるコマが目に入ると思わず
「ひぃァッ!」
 叫んでしまいましたw
 
 しかしよくよく考えてみると、この大臣が死んだのも少女に手を出したゆえの男の末路と言えるし、そんな男が最期に見たのは、股から汁を滴らせる少女の裸だったりして…
 このシーンも、「少女の性というタブーを侵した男の因果」みたいなのも内包している「町田ひらくワールド」*1の陰のある魅力が如実に表れているシーンですね。

 
 

 
 正直「タンポポの卵」の連載は途中から読み始めたので、背景に続いている事象とか時系列とかよくわからず、ストーリーまで満足に味わうことが自分には出きずじまいでした。
 今回の短編によって、町田先生のストーリーテリングの妙を改めて実感出来た…という感じです。

*1:なんかオレ、好き勝手言いたい放題言ってるようで心配w