コミックLO6月号の感想
うがーっと!
ちょっと遅めな今月のLOの感想です。
いつも通り気になった作品をピックアップしていく感じで〜。
妄想の激しすぎる女の子が主人公の連載シリーズ第三話。
今回は憧れている男の子とのエッチが来る日のために、友達の女の子と男の子とのカップルのセックスを見学するお話。
今回主人公の女の子はオナニーに徹するのみで、むしろ「友達が目の前で行うセックスをじっくり観察する」ことに重点のおかれた描写がなされています。
特にイチオシなのが、その「じっくり観察する」という行為がキチンと描かれている場面。
たとえばこのシーン、セックスの観察がはじまってまずは友達の女の子が男の子のティムポを取り出すところ。
1ページ大きめの横コマ4つで、じりりっとねちっこく、ティムポを手に取るまでを描きます。
この時絵としては、この行為を横から観察している主人公の女の子と全く同じ視線。
つまり読者と女の子の意識が同化するんですよね。
それに加えて、友達の女の子は見られていることを少し恥ずかしがるように顔を赤らめながら、こちらにほぼ絶えず視線を送ります。
女の子の恥ずかしげな視線と、イチモツに近づける口元とを交互にじっとりと見ているうちに、主人公の女の子と同じように読者もまた、そこで指を加えて二人の淫らな姿を同じ部屋で眺めている感覚になっていくのです。
●佐々原憂樹「あなたのいちばんになるために」
憧れの女の子をネタにオナニーをしている姿を見られた女の子が、乱交パーティに誘われてしまうお話。
♀×♀から始まるお話なんですが、冒頭で片方の女の子がオナニーのネタとするのが、相手の女の子のスク水というのが素晴らしい。
なるほど「好きだった娘のスク水をコッソリ着た」なんて話は、ウソかホントか小学生時代に絡めた変態トークでよく聞くシチュエーションであります。
しかしエロマンガにおいて「男がスク水を着る」シーンは描きづらいところ。*1
まして独り、恍惚としながらその感想の独白なんてされようものなら、読者としてはそれを見るのはツラいところがあります。
しかし、これを着るのは「百合」というよりむしろ「レズ」と言った方がよさげな性癖の可愛いおにゃのこ!
スク水を着てももちろん似合うし、なにより先ほどの「恍惚としながら感想を独白」するさまを問題なく描けるのが、このシーンのテクニカルなトコロ。
こういった変態的・フェチ的なエロス描写で重要なのは、その行為の魅力を読者に感じさせることなんですが、
マンガならば、それがいかに淫靡なことかをキャラクターに語らせるのが一番わかりやすい筈です。
ただ先ほど書いたように、「男がスク水着てその感想を独白」なんて光景は読者に求められるレベルが高すぎます。
しかしそんな変態チックな語りをみせるのが女の子なら!
佐々原先生の肉感を感じさせる女の子がスク水で、しかもド変態な独白を!
女の子の淫らな姿を描写することと、変態・フェチ的な語りによる読者の感情移入、この二つが両立するわけです。
このコンボの破壊力たるや、すさまじいものがありますね。
佐々原先生の肉感を感じさせる女の子は目に映るエロスとして素晴らしいし、これに加え変態性への感情移入だって出来るんですもの!
もちろん作品的な山場は終盤の乱交シーンだとは思います。
しかし、やはり自分はこういうヒネリのきいたフェチっぽい・変態っぽいシチュの方が大好物だなー。
●画:雨がっぱ少女群 作:雨雲ツナミ「気狂い狩り」
LOへの掲載を一旦離れていた雨がっぱ先生の、堂々の復帰作。
今回は雨雲ツナミという人の原作を作画する形です。
もうこれは、なんというか一言で要約できないくらい深い世界観のある作品ですね。
簡単に言えば、人工で管理された森の飼育区で育てられている少女のうち二人を、大人たちが自分たちの愛玩用に連れていく…という感じでしょうか。
ただ、そのあらすじだけを追う訳にもいかせない、ストーリー展開と様々な要素が練り込まれていて、エピソードの中にさらに無限のエピソードがありそうな感覚すら覚えます。
その作品の深度は、冒頭の飼育区の光景と、大人たちが住む世界の二つを見れば一目瞭然だと思います。
いちエロマンガの短編に、これだけの世界観を構築する原作者もスゴいんですが、それを壮大に誌面に描写する雨がっぱ先生の画力もスゴイ。ホントに。
雨がっぱ先生と背景といえば、LOのデビューから2回目に掲載された作品「団地の子」の最後の一コマ。
夕日をバックにぐわぁぁんとたわむように並ぶ団地の光景が、自分の中の雨がっぱ先生と関連付ける絵として印象が強いです。
これを書いている途中で思ったんですが、今回の話は、男性の登場人物が女の子を犯すんじゃなくて、その圧倒的な世界観・背景が女の子を犯しているって感じがしますね。
楽園の世界でそれまで育った無垢で何も知らない少女を、大人たちの世界・価値観に引きずりこんで押さえつけ、犯していく。
少女が犯されることはこの世界での社会システムの一部で、さも当然のことのように大人たちが淡々と少女たちを弄ぶ。
また、この男性たちには「少女を犯しているぞグヘヘ」みたいなダイレクトな感情が作品の中に全く表れていないように自分は感じます。
それだけ雨がっぱ先生の巧みな画力によって、この「犯すのは自然なこと」の世界観を他よりも圧倒的にリアルに構築されているからそう感じるのかもしれません。
いやー、やっぱスゲーわがっぱちゃん。
そしてこれが載っているLOもやっぱスゲー。
●MOROKONOMI「魅了」
独特の絵柄とストーリー展開で大注目な新人さんのMOROKONOMI先生。
今回は和風総本家な雰囲気をバックに、姉の婚約者に言い寄られた少女の情事なお話。
と、本題に入る前にひとつ。
自分は女性の艶やかな、それでいて凛とした感じの横顔やポージングが大好きなんです。
わかりやすい例としては、ミュシャが描くような、女性を横からとらえた時のプロポーションですね。
そんな自分にとってこの作品の冒頭1ページ…これはやられた!
木目の描きこまれた涼やかな背景と、縁側にたたずむ浴衣の少女。
その澄ました横顔、最低限の力だけが支えるような身体…静かに流れる空気を感じさせます。
これに加え、下段の
「芍薬も牡丹も百合も 君の前座と知った。」
という編集部によるアオリ。
その横には、浴衣からそろりとのぞく乳房。年端のゆかぬ少女だけがふっ、と見せるエロス。
あァ、これこそニッポンの夏、LOのエロス。
その後の作中にも「あァ…イヤですわ、ダンナさま。およしになって、おくんなまし〜」*2的な『和の官能の世界』が繰り広げられていて、アデのある立ち回りが好きな自分にはたまりません…!
この「いやよいやよと拒みつつ…」な、男のマジメな割りの強情さと、女の子の拒否しつつもなし崩し的な態度。
物言いこそ理性的でも、肉体は正直なところが、いかにも時代劇とかの濡れ場っぽくていいじゃないですか。
嗚呼、やはりニッポンの夏、L(ry
●ガビョ布「さあ、力を抜いて(読んでください)」
催眠術にハマった女の子二人が先生に術をかけ、先生がかかったフリをしてイヤらしいことをしちゃおう!というお話。
ぷにっぷにの、可愛いくもコミカルでもあるデフォルメキャラクターに定評のあるガビョ布先生の作品。
今回は、もう思いっきりバカエロ路線!
はじめ数ページなんて、もうエロに入りそうな展開でもなんでもなく、ただただ面白いギャグが続きますw
元気っ娘な女の子の傍若無人っぷり、冷静な女の子のなんだかズレたフォロー、イジメ倒されながらも的確なツッコミを返す先生。
リズムもバッチリな三すくみの応酬は、出来のいいトリオ漫才を思い浮かばせますw
そして感動したのは、この一コマ。
元気な女の子のぺったんこな胸が巨乳に見える催眠術を、先生がかけられているシーン
「ていうかその麗しき ぺったんこの胸が 巨乳に見えたら 自殺するわ!」
が、ガビョさん!あんたは…か、漢やっ!
●うさくん「マコちゃん絵日記」
サイン会も決まってぜっこーちょーの「マコちゃん絵日記」。
今回はマコちゃん家の家業、ぬいぐるみ「わたわた」のちょっとしたエピソード。
ぬいぐるみの「わたわた」は、そのなんとも言えないビミョーな表情が魅力。
なんたってその魅力は、この4つのコマの流れを見たらスグわかるよ!
あぁぁっ!!
マコちゃん、俺にもそいつ殴らせろ!
…ハッ!
あ、あまりのアレなツラに思わず取り乱しちまったぜ…
こんな「わたわた」に比べ、大手キャラクター会社のぬいぐるみ「ニャンリオのミッケ」の、なんてラブリーなことよ!
うさくん先生、こういっためちゃプリチーなキャラクターもサラっと描けるのに
なんでこんな秀逸なほどのムカつきキャラも描けるんだろうww
「マコちゃん」単行本の2巻には、是非このわたわたが欲しいですね!
ぬいぐるみとかー、ストラップとか。ぬいぐるみだったら思わずマコちゃんのように殴っちゃいs(ry
個人的に今号で一番ヨカったのは、朝木先生の作品かなぁ〜。
あの「主人公と同化して、エッチな二人を見る」という感覚を感じさせるコマ運び、朝木先生のエロマンガ家としての技術力の高さを実感しました。