オタク文化の中の「ロゴ」

今日図書館にて「日本のロゴ?」なる本を見つけまして、商業デザインとか見るの割と好きなほうなので思わず手にとってパラパラと読んでいました。
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 日本の(と同じくらいの数で世界の)企業や組織、企画や作品タイトルなどで用いられている様々な「ロゴ」が全てフルカラーで紹介されています。中にはスーパー戦隊シリーズ週刊少年マガジンのタイトルロゴの変遷なんかもまとめられていてちょっと感動。
 またそれぞれのロゴには、それに込められた意図や与える印象などの簡単な解説が書いてあり、普段よく目にしてもあまり気に留めた事のない様々なロゴをじっくりと見直してみるのも中々楽しかったり。

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 さて、我々が愛してやまないアニメ・マンガ・ゲーム・特撮etc にも様々なロゴが考え出され使われています。
 しかし上に書いたように、やはり作品の中身に注目はしてもロゴに注目することってこういった分野でも少ないように思います。
 でも単行本の表紙絵やアニメOP映像と同様に、タイトルロゴも始めて触れる人に作品を手にとって貰えるようアピールする大切な要素である事に変わりはないでしょう。
 なんてことを考えたので、今回は自分の印象に残っているロゴを並べてみようかなと思います。

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 やはりマンガのタイトルロゴを語るときにかかせないのは手塚治虫作品のタイトルロゴではないでしょうか?
 作品によって様々なデザインがありますが、アトムなどの一画の一部分を太らせ全体的に角ばった印象を持つ文字が、多くの作品のロゴに取り入れられているように感じます。

 商業マンガでタイトルロゴをデザインする際はマンガ家さんのイメージをデザイナーが仕上げる、もしくは外注として任せる場合が多いらしいのですが、手塚先生の場合はロゴに関する作業も自分の手で行っていたそうです。*1
 

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 前々から印象に残っているのが久保帯人の「BLEACH(ブリーチ)」。

 ハッキリとした赤と青のカラー、エンブレムのように横長四角に形をとって、両側にはゆらめく炎のデザインです。
 私はこれを初めて見た時、「あ、これカッコいいジャージみたいだ」と思ったのです。
 まったくの憶測ですが、赤と青をはっきり使った色使いって、ジャージを良く着るような時分の小中学生の男の子が強く惹かれる色使いだと思うんですよね。
 そんな思い込みからか、こういう色使いを見ると小中学生がこういう色使いのジャージを着て自転車で走っているイメージが湧いてきます。
 それに両側には、私的には「Piko」なんかを思わせるカジュアルな曲線で描かれた炎まで。
 これって間違いなく小中学生に「カッコいい!」と思わせるデザインなんだろな、と思っとります。

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そして私が萌えオタとなる出発点にして我が青春の作品「シスタープリンセス」。

西洋美術を思わせるエレガンスな英字ロゴと、かわいらしいハートと王冠のマーク。

 イラストレーター・天広直人さんの繊細で爽やかなタッチで描かれる妹たちは、この企画の「12人の妹がいて、みんな兄が大好き」というブッとんだ設定の違和感をいつのまにか忘れさせてしまいます。
 それと同じくこのロゴも、そんな天広さんの絵の雰囲気と絶妙にマッチした清楚でかわいらしいイメージが感じ取れます。

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 あと書いておきたいのが、少し前の記事でも書いたあずまきよひこの諸作品です。
 あずま先生の作品では、ロゴはもちろん単行本の装丁や本編のページ構成などでも他の作家とは違った独特のセンスが光っていますね。
 たとえば「あずまんが大王」でのマンガの吹き出しを模した土台の形や、タイトルの短縮を表す太く丸い文字で「あ!」とだけ書いたマークが印象的です。

 これらのデザインは、あずま先生自らも社員であるデザインスタジオ会社の「よつばスタジオ」が手がけているようで、同社は他にもいろいろな作品でそのセンスを発揮しているようです。(近いうちに「よつばスタジオ」について詳しく調べてみようと思います。)

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 という感じでツラツラーっと書いてみました。
 ロゴというのは色彩や形など、イメージによったセンスの一本勝負で生まれるモノだと思うので自分の感性にビビッと来るものがないか常に意識して楽しみたいと思いますね。

*1:イデア的な面では他の介入を許さない手塚治虫の一面を表している話ですね