小津安二郎を初体験 「東京物語」
今日は大学の講義と講義の間に時間が空いたので、図書館で映画を鑑賞。
夏休みを挟んでいたので「その間にラインナップ増えてるかな〜?」なんて思いながら作品を選んでいたら、今までその場には目にしなかった文字が。
「小津安二郎」
同じ監督の作品で他に3・4本作品があったのですが、とりあえずTVバラエティの映画特集などでよくとり上げられる「東京物語」を見ました。
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白黒時代の日本映画は「羅生門」「天国と地獄」「静かなる決闘」という黒澤明監督の作品しか見た事なく、その黒澤と並ぶ名監督と聞く小津安二郎の作品はまだ一度も見た事はありませんでした。
ただ、先ほども書いたTVバラエティでよくある「昭和日本映画の巨匠」みたいな特集の場合、まず筆頭にあげて長時間の尺がとられるのは黒澤明で、小津安二郎はその半分くらいの尺しかない場合が多い気がします。
またそういった特集では「小津は*1独特」というような解説がよくなされているため、現代人でさして映画を良く見るほうでもない自分が見るには、敷居の高い映画なのかなーなんて少し身構えていたのですが…
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単純に「面白かった」というより、「いろいろと考えさせられる」タイプの映画でした。
時を経て変わってしまう親子という関係や、老いることの物悲しさといったことがあくまで淡々と描かれていて、そんないろんなシーンで「あー…」と心になにかが引っかかるような感覚を覚えました。
この映画って、たぶん上で書いた「いろいろと考えさせられる」という所が重要なんでしょうね。
「考えさせられる」ってことは、その映画はそれだけ「観客に考えさせる」ことに優れた映像であるのでしょう。
この「考えさせる」力について、ストーリーそれ自体がとても優秀であるのも間違いないのですが、そこに監督独自の映画技術がなければこの「考えさせる」力も弱まってしまうでしょう。
映画には詳しくないので詳細にその小津安二郎的技術について解説することが出来ないのですが、少なくとも確かにこの小津安二郎という人でなければ、こんな「考えさせる」力が大きい映像は作れないんだなということは理解できます。
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私はまだまだワカモンですが、今までの人生に少なからず重なるシーンとこれから重なってしまうのであろうシーンを感じ取って、「はたして自分は…」なんていろいろ考えてしまいますねー…。
近すぎるゆえに普段見えにくい、人生のいろんな事を改めて考え直すに大きなきっかけになる素晴らしい映画でした。
*1:とくにカメラワークなどが