「子供らしさ」を描くのが上手い漫画家・アニメ作家といえば?

 昨日、大学の図書館でたまたま目に入った「ダヴィンチ(今年3月号)」のある特集を読んでいました。

 あずまきよひこ先生のよつばと!の大特集です。

davinci vol.167(2008.3月号)


 特集を読んで、あずま先生の「『よつばの子供らしさ』の描写力ってやっぱりスゴイなぁ」と。

 …で、ふと思ったんですよ。


 あずま先生以外にも「子供らしさ」を描くのがうまい漫画家とかアニメ作家とか…他にどんな人がいるだろう?


 ってわけで、自分が知っている範囲で「子供らしさを描くのがうまい」作家とそれを感じた作品をいくつか挙げてみました。


※ここで言う「『子供らしさ』を描くのがうまい」というのは、簡単に言うと「そうそう、子供ってそういうモンだよね」と思わせるのが上手いということ。

 細かい判断基準を書き出すなら、子供特有の行動・考え方・動き・セリフ…といったトコロでしょうか。




-あずまきよひこ 「よつばと!

 この記事を書こうと思ったほどの「子供の面白さ」。
 顔を見ただけでよつばの感情が伝わってくる豊かな表情や、どんなことにも「これなんだー!?」と聞いてしまう好奇心など、よつばの姿を見ていると「子供って面白いな!」と思ってしまいますね。

 また、よつばと大人との視点の高低差が効果的に描かれているなど、マンガの技術的な面でも「子供らしさ」を感じさせているのもスゴい。



-浜岡賢次 「浦安鉄筋家族

 子供にしか出来ないような常識も手加減も関係ない小鉄たちの「バカっぷり」に抱腹絶倒!
 自分ん家の近所を楽しそうに走り回っている子供たちのパワーを、このマンガからは感じますね。

 それに小鉄たちの服装とかって、いかにも「庶民家庭の子供」なリアリティがあるとも思ったり。*1


-たかみち 「コミックLO表紙」

 

 自分はコミックLOの愛読者なので、その中でも「子供らしさ」を感じたこの2つの表紙をチョイス。
 たかみち先生は日常の風景の中にいる少女の可愛らしさ・美しさを描き出すイラストレーターですが、この二つの号の表紙イラストは「少女という存在の美しさ」よりも「子供という存在の面白さ」を感じますね。


-宮崎駿 「となりのトトロ

 なんだよこのカットw と言われそうな画像のチョイスですが、となりのトトロのメイです。
 お母さんの病院へ走るサツキに「ついてきちゃだめ!」と言われても、トウモロコシを抱えてサツキを追いかける姿に思わず「子供ってこういう時聞かないモンなんだよな」とうなずいてしまいますね。
 パヤオロリコンなだけじゃなくてちゃんと子供好きでもあるってことですよね、やっぱり。

 それに坂本千夏さんの声もいいんだよなぁ、子役声優では決して出来ない仕事だと思うんですよ!ねぇミヤさん!


-磯光雄 「電脳コイル

 また泣き顔かよ!
 …いや、メイもそうなんですが、これを見て思わず「泣かないで〜」と声をかけてあげたくなるような子供の泣き顔を描けるってスゴいことだと思うんですよ。*2
 もちろん泣き顔だけじゃなく、京子の描かれる様ってホント「小此木のところの幼児」*3そのものでリアルなんですよね。*4

 こういった視点で見たコイルという作品は、特徴的なキャラデザとかハイレベルな作画技術などで的確に「子供らしさ」を描き出している作品だと思いました。



 という感じで、「子供らしさ」を描くのが上手い漫画家・アニメ作家を挙げてみましたが…どうでしょうか?


 たとえば自分の子供の頃を思い返すと「オレはどういう思考回路であんな発想をしていたんだろう」とか「オレはどんな理由であの時あんな行動をとったんだろう」とか思う記憶がいくつかあるんですよ。

 そんな風に成長することで自分自身の場合でもなんだか理解不能になってしまう「子供らしさ」を第三者が見ても共感するように表現するわけですから、これはホントにスゴい。


 今回挙げた作家や作品は、自分の知っている範囲で挙げただけなので膨大なマンガ・アニメの作家・作品の中のほんの一握りだと思います。

 これを読んで「こういう人もいるぜー」と思った方はぜひぜひコメントで教えてください。

*1:特にフグオとか

*2:コイルで「泣き」と言えば、イサコがヤサコの前で泣き崩れる声の演技も桑島さんの低い泣き声の演技が素晴らしいですよね

*3:イサコ様風の呼び方で

*4:次男の自分としては京子が不安なときの「おねぇーちゃーんっ!」っていう声にすっげー共感を覚えたり