むっくが描くコスプレと着ぐるみでモエろ! 「ころころころもちゃん」

 いわゆるオタ系なマンガ雑誌も今や数多くありまして、人によって読む雑誌も様々。
 そんなみんなが全員「この人のマンガは見た事あるな」って言ってしまう、そんなマンガ家といえばだーれだ?


 …そうだね!むっく先生だね!

 同人ショップ「とらのあな」の広告マンガとらのあなの美虎ちゃんを描いていることで有名なむっく先生。
 オタ系マンガ誌の読者なら、たとえ名前が出てこなくてもこの絵柄を知らない人はモグリでしょう。




 で、先日手に入れたのがそんなむっく先生のデビュー作である4コママンガ「ころころころもちゃん」


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840224625/hatena-ud-22/ref=nosim


 2001年に「コミックガオ!」で2年間連載された、コスプレ好きな女子高生ころもちゃんと愉快な仲間たちのドタバタ学園ギャグです。


 メリハリのあるデフォルメがきいた絵とテンポのいいギャグ運びが絶妙にマッチしていて読んでいてなんとも楽しい。
 似た感じで言えば、「あずまんが大王」の智ちゃんたちボンクラーズのようなハイテンションっぷりというか。


 そして登場するキャラクターの着るコスチューム、これもこの作品の大きな特徴です。


 この作品にはコスプレをするキャラクターが二人いて、

 一人は主人公のコスプレ大好き元気娘、天之葉ころも


 もう一人はころもちゃんのネコミミ姿を見て「着ぐるみ」好きになったぽんやり小学生、姫宮きぐうるみ


 彼女らが行うコスプレ&着ぐるみはバリエーションは豊富で、かつどれもかわいい!

 むっく先生の絵柄から来るポップな明るさがあって、性的な面も含んだ感じの「萌え」という言い方ともまた少し違う良さがそこにあります。
 もしやこれがむっく作品の「モエ」*1の意味…!?



 そしてそんな彼女らのコスチュームを作ってあげているのが、親友の木地はおる


 彼女はコスチューム作りが大好きで、自作のコスを二人に着せてムフフ…と楽しむのが趣味。
 普段はメガネキャラらしくころもの暴走をツッコむんですが、こと服に関する話になると彼女自身の熱いオタク心が発動!


 それゆえ初対面のるみちゃんにこんなアブないセリフも。(あくまで純粋なセリフですよ!)



 そしてころもちゃんたちのドタバタ騒ぎから少し離れたところで、淡々とわが道を行く不良娘で裏番の武者乃 あいと彼女に憧れる舎弟娘のコンビもいます。


 ころもちゃんたちのストーリーに微妙にリンクしつつ、彼女らの健全なアウトロー物語が展開していきます。
 これらはこの作品のスパイス的な役割を持っているんじゃないでしょうか。



 他にも実家が神社でホンモノの巫女としてころもちゃんからなぜかライバル意識をもたれる生徒会長や、コスプレを撮るのが大好きなカメコ娘といったキャラクターもいて、ころもちゃん達とともにハイテンポなギャグを生み出します。



 むっく先生のマンガは「美虎ちゃん」のような広告マンガしか読んだ事がなかったので、この作品のようにモノクロで描かれてトーンも使うむっく先生の絵はなんだか新鮮です。

 しかしデビュー当初からこのギャグの安定感とキャラ一人一人が活き活きと動いている感じが描けているっていうのはスゴいですね。


 余談ですが、むっく先生は「まんがタイムきらら」に「眼鏡のお年頃」という作品を連載していたほどのメガネっ娘好きなんだそう。

 そしてこの作品の眼鏡っ娘であり、可愛い衣装を作って着せてはムフフと楽しんでいるキャラクター、はおる… 
 もしかしたらはおるは、むっく先生が自身を生き移したキャラクターなんじゃないかと勘ぐってみたり。

 

*1:「美虎ちゃん」などで「萌え」という単語が出てくるときは必ずカタカナで表記される