「東方星狐隊」で気付いた東方とスターフォックスの共通点
ニコニコ動画で久々に「シューターホイホイ」あたりのタグをうろついていたら、ふと「スターフォックス64」を思い出しまして。
なんかスタフォ64で面白い動画はないかな〜と思って検索してみたところ、こんな動画が!
スターフォックス隊のキャラクターをそれぞれ東方のキャラに入れ換え、ステージ中にてフォックス達が交わす無線通信をそれぞれの東方キャラっぽく改変したMADです。
道中の攻略アドバイスなどは元会話をそのまま東方キャラの口調にしただけの場合が多いんですが、状況が一変して盛り上がるような場面*1では、いかにもそれぞれのキャラクターが言いそうな会話が表示されて楽しいです。
1面の裏ボスの最期も、うまいこと東方ネタに絡めていて大爆笑!
まさしく「これがやりたかったのか!」ですねw
動画には続編もあるのでそちらも必見です。
ただその次回作以降は続編が長らくうpされていないようで「うp主失踪シリーズ」のタグがついているのが残念…orz
●スタフォと東方の、STGとしての共通点
スタフォ64は自分もリアルタイムでプレイしまくってて、少し前にもロクヨンを引っ張り出してやり込んでたりしてました。
だからもう、見慣れた1面とかは会話の内容が頭の中でスラスラ再生されますw
でもこうやって「スラスラ再生され」たり上のような動画が作られるということは、それだけ「スターフォックス64」における「無線通信・会話」がこのゲームの面白さを構成する重要な要素である証拠だと思うんですよ。
「スタフォ64」では
・口うるさいけどそれだけ若手を気遣っている、オヤっさんキャラのペッピー
・フォックスと撃墜数を競いあう、戦友でありライバルであるファルコ
・有能なエンジニアだけど、お調子モノなのがたまにキズなスリッピー
といった個性的な面々が主人公フォックスと共に戦うわけですが、フォックスはというと自分から目立った発言をすることもなく、*2それだけ「プレイヤー=フォックス」という感情移入がしやすいキャラ付け。
だからこそ「他のメンバーと共に戦っている」感覚が強く起こりますし、他のメンバーの「援護を頼む!」という要請に「敵を倒して仲間を助ける」という行動で返答を行うとメンバーは「サンキュー、助かった!」とまた返事を返してくれて、この「共に戦っている感」は更に強みを増していくワケです。
そのような「会話を楽しむ構造」となっていること、それに文字表記だけでなく音声が入ってることもあって「スタフォ64」の会話はとても印象的で頭に残ります。
何度もプレイする1ステージ目の一通りの会話はもちろん、「アンドルフさまぁ〜,ごめんちゃい!」「アンドルフおじさぁぁぁぁん!」といった敵キャラの断末魔を思い出せる人も多いんじゃないでしょうかw
そして「会話が面白いSTG」と言えばもちろん一連の東方project。
各ステージの一癖もニ癖もある個性的な性格のボスキャラ達と霊夢・魔理沙とのやりとりは、キャラのおかしな思い込みに対する冷静なツッコミや、屁理屈の応酬、なのに時々お互いズレてたり…
少しシニカルな感じが楽しいこれらの「語り」は、東方における重要な要素でしょう。
ましてやこれらの「語り」とキャラクター像をモトにした様々な二次創作・公式小説が生まれ、現在の一大東方コミュニティを作っていくのだから、その魅力はとてつもない。
この「スタフォ64」と「東方」、少し形は違えど「キャラクターとの軽妙な会話で、具体的なキャラ像や世界観を物語る」という部分が共通していると思うのです。
STGというジャンルにそれほど詳しいワケではないのですが、STGというとメインステージはアーケードによるもので、それゆえそのゲームの物語・世界観を把握してプレイするのは熱心なファンぐらいであると思います。
たとえインストカードやデモ中にそのゲームの世界観を説明しても、アーケードゲームは内容が中心にあるので、プレイしてて面白くなければそういった面に目を向ける事も少ないでしょう。
世界観や展開も楽しんで欲しいと思うクリエイターは「ゼビウス」や「メタルブラック」のように、展開していくステージ中の背景などに工夫を凝らすなどの「ビジュアル」でその魅力を伝えますが、コアなゲーマーでもないとそういった要素から深く作品に没入する、というのも難しい気がします。
その点「スタフォ」や「東方」は会話という表現でわかりやすく、会話の内容も印象的で面白い。
面白い会話によって「世界・キャラ・展開を物語る」という手法は、画面とゲーム内容に集中するあまり普段見逃してしまいがちな作品の深い魅力へ、プレイヤーの目を向けさせるのに有効な手段だと思います。*3