コミケに参戦するサンリオの告知展開に見るサンリオの本気度とイベント力

日刊スレッドガイド : 【ハローキティ】サンリオが萌えキャラで夏コミに初参戦決定 イラストはOKAMAが担当

 今日知ったニュースなんですが、こりゃ驚きました…!
 あのサンリオが、思いっきりオタク方面なコミケという場所へ向かって攻め込んで来るとは。


 公式サイトは↓のようです。(現在つながりにくいっぽい?)


ハローキティといっしょ!


「いつも私のまわりには大好きなキティちゃんがいる!」


時間や空間を超えた”ハローキティ”が愛される世界


そこにいるのは「超キティラー」と呼ばれるキティを愛する女の子!


個性的なキティグッズを身にまとった彼女たちが繰り広げる


キュートでハッピーな日常を あなたも一緒に体験してみませんか?

 ようは、オタク方面に人気のあるイラストレーターの方々に『キティちゃん大好きっ娘=キティラー』の萌えキャラを作ってもらい、その女の子のグッズを販売しよう、というプロジェクトだそうです。


 既に「月面兎兵器ミーナ」などで有名なOKAMA氏が描いた第一弾のキャライラストが公開されています。
 他にも、第二弾では「キノの旅」「アリソンとリリア」の黒星紅白氏、第三弾では「もえたん」のPOP氏と、そうそうたるイラストレーター陣が控えてるっぽいですね。



アニプレックスは公式で告知した、サンリオ(まだ)公式で告知していない



 今回のような、「一般的な子供(女の子)をメインターゲットにした作品コンテンツが、コミケの企業ブースに参加する」という話題。
 そういえば過去にも、同じような感じでちょっとした物議を醸した事件がありましたね。


痛いニュース(ノ∀`):コミケで某企業が子供向け企画告知


 3年前のコミケアニプレックスブースにて女の子向けアニメ「出ましたっ!パワーパフガールズZ」の声優イベント行われたというのがそれ。

 ちなみに今になってググってみると、小さな子への大きな被害はなかったようで、遅すぎながらひと安心しました。


slip news clip : パワパフガールズZのコミケイベントの顛末


 上の記事でも親子連れはその凄まじい現場を見て早々に退散してしまったように、やはりオタクだらけのコミケで一般の女の子も来るようなイベントを行うってのは無茶なようです。
 でもまだ、百歩譲って「まだ声優イベントだから声優にも詳しい大きなお友達メインになるでしょ」と思い込んだとしましょう。


 でも、そんな考えも覆す決定打が「痛いニュース」の記事のなかに。


 このイベントの広告が集英社の少女マンガ雑誌「りぼん」の増刊号「あみーご」(対象年齢:小1〜2年生)に掲載されました。

 

 そのアニメのイベントなんだから告知するのはそりゃ当たり前ですが、よりにもよって低学年の女の子向け雑誌コミケ3日目の名をっ!?

 つまりそれは、これを読んだ小さな子たちが来るのも期待しているわけで、決して「大きなお友達のためのイベント」なんてワケにもいかないでしょう。

 ちなみにこの雑誌広告のほか、アニプレックスの公式サイト内のニューストピックス欄にもこのイベントについて告知がされていました。


 サイト内は漢字の量も多く、ある程度の年齢の人でないと詳しく読めない形になっていると思います。


 が、とは言っても公式は公式。お母さん・お父さんに頼んで様々なイベント情報を教えてもらう女の子も多いハズです。




 結局のところ、オタク的イベントには向かない客層にわざわざこのようなイベントの広告をうったのが、物議を醸した要因のようです。

 なんなら集客は落ちますが、本当に大きなお友達のためだけのイベントとしてヒッソリそいういう媒体だけで広告していれば、「痛いニュース」で取り上げられる事もなかったのかも知れませんし、間違えて?足を踏み入れてしまった親子たちが絶望することもなかったでしょう。



−−−−−

 では今回のサンリオの「告知展開」はどういった感じでしょう。


 そのまえに前提として「ハローキティといっしょ!」のプロジェクトは、公式のインフォメーションページを見る限り今年の5月14日には始動してるっぽいです。更にOKAMA氏とのコラボレーションが発表されたのは同月17日。


 ということは既に2ヶ月は経過していて、OKAMA氏とのコラボが公表されたのは10日ほど前らしいです。
 この記事は28日に書いたので、そういった時点での情報として見てください。



 まずは手始めに、サンリオの公式サイトのニュースページへ。


サンリオ | サンリオニュース


 なんと会場等の情報どころか、イベント名すら記載されていませんでした。
 トップページにもイベントに関連したリンクやボタンはないようです。


 ならば次はキティちゃんの特設ページはどうでしょう。


ハローキティ|イベント


 サンリオのトップにないのだから当然と言えば当然?というかサンリオトップより情報が少ないくらいかも知れません。

 と、ここまで来て今さら気付いたのですが、実は既に今年の夏コミカタログを買っているので、次にそれの案内を参照してみます。
 P.1182に「企業ミニブース」というスペースで確かに出展されているとありました。



 これをよく見ると、参考のアドレスに、公式サイトのアドレスのほかに二つ。
 「アキバ系特典情報ポータルサイト - 僕のアキバ.com」のアドレスと、サンリオ作品をもって新規事業に取り組んでいるというサンリオウェーブという会社のアドレスが載っていました。
 (ということは、このプロジェクトは「サンリオウェーブ」が中心となって進行している、ということかしら)


 Sanrio Wave
 僕のアキバ.com 


 「カタログに載ってる参考サイトなら、流石に何か告知してるだろう!」と思いきや、なんとここにもありませんでした。



サンリオは萌えオタへの一点集中爆撃を行うのか!?

 さて、

 (今の時点でこういったイベントの告知は多いものなのか少ないものなのか私はよく分からないのですが)


 少なくともOKAMA氏とのコラボが決定してから10日以上たってもイベントをこれらのニュースページに告知していないということは、サンリオは意図的に「本来のキティ愛好者層(一般の女の子や若い女性、親御さん)の目には極力つきにくい告知展開を行っていく」つもりなのでは…と思います。


 とにかく、現時点では公式サイトなどの「みんなにわかりやすい」場所でのイベントについて告知は私は見つけられませんでした。
 もし私の読みが当たっていれば、上でとりあげた「パワパフZイベント」を反面教師としているのかも知れませんねw


そもそも、「今のオタク層から確かな人気を持つイラストレーターを起用して、彼らに描かせるのはあくまでキティではなく『キティ好きの萌えキャラ』。発表場所ももちろんオタクのお祭りコミケ」と、プロジェクトそのものもオタク方面で確実に人気の出そうな手堅いチョイスと進行具合が徹頭徹尾貫かれています。


 これだけでもそうですが、更に「一般人には極力知らせず、オタクのみが反応するように知らせる」こともこのまま狙っていくとしたら…


 広い萌えオタ層全般にキティを使ったプロジェクトをぶつけるだけの、このイベントにかけるサンリオの本気度や、そのイベント力みたいなのがモノすげぇレベルになってる、ってことになるでしょう。
 


 果たして、私がやった読みは外れてこれからサンリオの公式サイトに堂々と紹介されるのか、それともやはりどこかそういった相応しい場所*1のみに告知を行っていくのか。
 それなり人の目に付くところで告知していかないと、せっかくのプロジェクトも台無しなので気になります。



 サンリオとオタクたちの、あしたはどっちだ!?*2

*1:参考サイトにあった「僕のアキバ.com」とか

*2:いや、最近とうさんがね、私が前に買ったあしたのジョーにハマってまして