「とらのあなの美虎ちゃん」のむっく先生についてイロイロ調べてみた。

 先日の記事の「ころころころもちゃん」を読んで、ムショーにむっく先生のことを知りたくなったのでググってみました。

 すると興味深いインタビュー記事をハケーン!

「むっくスペシャルインタビュー 『とらのあなの美虎ちゃん』の作者にモエとか眼鏡とか聞いてみた!(1/5)」 スペシャルインタビュー


 おおっ、リンク先にむっく先生の顔写真が!自画像のそのままだ!
 初めて見たー…
 …ってそんなミーハーな反応じゃなくって!


 このインタビュー、タイトルの「とらのあなの美虎ちゃん」についてだけでなくいろいろな方向の質問が行われていて、

 ・それぞれの作品が描かれた経緯
 ・描く作品ごとの姿勢
 ・マンガ執筆開始からプロデビューまで
 ・影響を受けた作家
 ・自身の萌え要素

 などなど、読んでみるとかなり深いところまでむっく先生について知ることが出来ると思います。




 とくにインタビューのなかで自身の作風について述べられている部分が興味深いですね。

――お話はどのような感じで作っていっているのでしょうか。

むっく ボクはネーム重視のタイプです。先にできてないと取りかかれないですね。ネームを描く前に、まずは給食がテーマだったら「給食当番と私」といったタイトルを決めて、常に持ってるネタ帳に思いつく限りの細かいネタをがーっと書き出していきます。そこから4コマに使える面白いネタだけをチェックしていくって感じですね。

 むっく先生の『美虎ちゃん』を読むたびに自分は
 「オタクコンテンツな広告マンガなのに、オタネタやパロディに走らないよなー」
 ってちょっと不思議なようにも思ってしまうんですよ。

 
 「とらのあな」というオタク系グッズショップの広告マンガだから、そういうマンガは「萌え」を前面に押し出した構成で

・『オタクの内輪的な会話や行動で、読者の自虐感をくすぐって笑わせる』
・『人気作品のパロ、もしくはオタク業界的なネタでニヤリとさせる』

 
 というマニアック気味なネタを使うのがフツウだというイメージがあるんです。


 でも「美虎ちゃん」の場合、そういったギャグよりはむしろ誰にも通じるような言葉遊びとかで笑わせるマンガだと思うんですよね。
 これはいわゆる「萌え系4コマ」的なマンガではなく、昔ながら広く読まれる4コママンガの作り方なんではないでしょうか。

 この親しみやすいオーソドックスなギャグこそ、多くのどの雑誌の読者にも気軽に読まれる「広告マンガ」という珍しい形の作品として長く続いている秘訣なのかな、と思ったり。




●「モエ」るむっくキャラのルーツ


 また、独特の絵柄に関してそのルーツを垣間見ることが出来そうなこんな回答も。

――ほかのマンガ家さんで、影響を受けた方というのはいらっしゃいますか。
むっく 一番好きなのは藤子・F・不二雄先生。ちっちゃいころから読んでますし、現在影響を受けているといったら藤子先生が一番ですね。あと高校時代は島本和彦先生、大学になってからはあずまきよひこ先生の影響は受けたと思います。最初4コマを描いてみようと思ったのは、あずま先生に憧れてというのもありました。


 言われてみると、確かに頭身とか口描き方・曲線などデフォルメの様式はF先生の絵柄(とくに頭身を低く描く時の絵柄?)への繋がりを感じますね。
 とくにキャラが驚いたときの口の「M」っぽい描き方とかそうですよね。



 そういえば、むっく先生の公式サイトで連載しているWebマンガ「エッコロくん」は設定やお茶の間感がまさしく藤子F不二雄マンガです。




 また、「とらだよ。」の表紙イラストなどで描かれるむっく先生のイラストの、メリハリのきいた構図には島本和彦先生の影響が顕著に出ていると感じます。
 むっく先生に島本先生、この二人の絵の、パースを効かせた感じとか腕や足のノビのある線…どちらの絵にも躍動感があって見ているとすごく爽快な気分になってきます。




●いろんなジャンルへ、ゆけゆけむっく先生!


 と、自分なりにむっく先生についてアレやコレやと書いてみました。
 むっく先生の描くポップで「モエ」なキャラクターたちが生まれるヒミツを、今回の記事を書くにあたってかなり知ることが出来たように思います。



 余談ですが、このインタビューの最後の質問と回答でこういうやりとりもありました。

――これから挑戦してみたいジャンルはありますか。

むっく ラブコメを描いてみたいですね(笑)。シリアスなものもやってみたら絵柄とのギャップがあって面白いかもしれません。あと児童漫画は一度描いてみたいです。「コロコロコミック」とか本格的に子ども向けの、子どものためのマンガも一度は描いてみたいという気持ちはあります。たまに、僕のマンガを子どもに見せたら喜んでいた、みたいな感想を聞くことがあるのですが、しみじみと嬉しかったりします。もともとマンガは子どものものだから、漫画家として根本的な憧憬があるのかもしれませんねえ。


 むっく先生の描く児童漫画っていうのも面白い作品になりそうです。 先ほども挙げた 「エッコロくん」は特にそれを意識されて描いているように思うんですが、むっく先生の絶妙なデフォルメのキャラクターって子供にも絶対ウケると思うんですよ。

 wikipediaの記事を見るかぎりまだそういった連載はされてないみたいなんですが、そういった方面での活躍も期待したいトコロ。




むっく先生公式HP
MOOK-TV.com 

「とら」関連のマンガのバックナンバーやイラストが閲覧できる「とら」の公式サイト
虎々ちゃんネル